功名が辻

次の大河が始まりますね。「功名が辻」です。

司馬遼太郎原作で内容としては周知の通り、貧乏侍・山内一豊の出世とその妻・千代の内助の功を描く名作です。この本に関しては私は司馬作品を読み始めた頃、割とはじめの方で読みました。


司馬作品では珍しく女性がクローズアップされた作品ですね。戦国の世を生き抜き、駆け上る中で、武士本人の才覚だけではなく、伴侶の才覚があってはじめて、一人のサムライ(山内一豊)の人生が大名になるまでになった、と。

原作の「千代」の利発さ・明るさを仲間由紀恵がどう演じるかが楽しみです。あとサブキャラで楽しみなのが徳川家康を演じるのが西田敏行というところ。(私的にはベストは家康にはなんといっても津川雅彦なんですが。)見た目まんまの狸オヤジということなんでしょう。

と、思ったら不破市之丞という千代の養父役で津川雅彦は出るみたいです。もったいない。あのトボケ具合が悪党っぽさを出していいのに(一度「葵 徳川三代(00年大河)」 でやっていてはまり役でした)。

あと、ウンチクとして折り紙なんかで「千代紙」ってありますね。あれはまさしくこの「千代」が考案したものだと以前何かで知りました。


まあ、司馬作品中では山内一豊ってのは要領が悪く、真面目・実直が売りであって、秀吉のような機転や人間的魅力もなく、柴田勝家のような豪胆さもなく、竹中半兵衛のような策略もなく・・・って、ドラマチックな人生を自分で強引に切り開いていくタイプではありません。度胸の据わったサラリーマンか公務員といった感じです(あくまで他の武将と比べるとですが)。

あと、「信長の野望」シリーズでも異常にパラメーターが低いです。飛びぬけたものがなく、合戦ではとても重要な方面を任せられません。農地開墾行脚で終わりそうです。


しかし、最終的には土佐を収める大名になったのですから、たいしたもんです。なにがあって彼がそこまでいきつけたのか、上手くドラマで表現して欲しいと思います。




これに関連した司馬作品の紹介として、山内の遺伝子を継ぎ、幕末に坂本竜馬の友人・武市半平太切腹に追い込んだ幕末四賢候の一人「山内容堂」を描いた短編

新装版 酔って候 (文春文庫)

新装版 酔って候 (文春文庫)

山内一豊が土佐に入る前にその土地を支配していた大名とその一族の悲哀を描いた

新装版 夏草の賦 (上) (文春文庫)

新装版 夏草の賦 (上) (文春文庫)

戦雲の夢 (講談社文庫)

戦雲の夢 (講談社文庫)

ぜひ、どうぞ。

こういった秀吉・家康など、時代の主役に敗れて散った人間を書いた作品にこそ、司馬作品のよさがあると私は思います。