お腹一杯です

年末年始、どこのチャンネルでも、お笑い芸人ばっかり。で、同じようなことをやっています。ネタをやってもM-1のような研ぎ澄まされたものではなく、疲れもあってか、やってる本人たちのモチベーションが低いのが伝わってきます。


で、TV文化の仕組みを考える。まず、視聴者を消費者として考えてみたら、消費者が望むから「芸人」というものが売れてる商品だから供給が多い、と考えてしまうけど、実はそうでもない。視聴率というマーケットリサーチに基づいて番組が作られているようでいて、その実、流行はTV製作側が無理にでも作っているから、一度二度の成功例に乗っかる形で同じような二番煎じの番組を作っておけばいいんじゃないか的な一連の流れが出来上がっているんじゃないかと思う。
「年末年始はこういう番組が見たいです」とは視聴者は言えないですから。一方的に製作サイドが「これなら視聴率がとれる」と考えた番組を見せられているだけ。つまり供給側が決めたメニューの中からしか選択肢がなくて、しょうがないからその中から興味を引くものを消費しているのが実情。なかにはどうしても食べられないメニューばかりの時は、レンタルビデオ、ケーブルTVなんていう非常食に手を出さざるを得ないのです。


で、同じ料理ばかりだと新鮮味にかけるし、飽きてきても不思議ではない。供給側も同じ素材の中で新鮮味を出そうとしていく中で、悪魔の調味料に手を染めるケースも多々ある。それがドーピングコンソメスープ、もとい、ヤラセ・捏造というやつです。


食材は旬の時にいただくのが理想だけど、その食材ばかりになるから消費者側が飽きていくのも当然なことであって、必然、旬というものが短くなってしまいます。それが消えていった芸人というやつ。本当の食材の旬は季節の移り変わりと同じくして、まためぐってくるけども、彼らの旬は2度と来ないのが通例ですな。で、「たまにはあの頃旬だった食材も食べたいなあ」と思って出される料理が「懐かしのあの人は今」なんてやつなんだろう。


素材も必死ですよ。自分たちに旬があることを知っているし、いつか飽きられてしまうことも誰よりも知っているもの。だから自分たちのなかで色んな持ち味を出そうとしてますが、どうにもこうにも一つの持ち味が目を引いて流行にされてしまった若手芸人なんかは、持ち味の変えようもなく、結局同じ芸を披露することを強要されることになってしまう。


あれほど売れたのに今はTVに出れなのはなんでだろう〜、と思っている人もいるだろうし、一時期は人気をゲッツしたけど消えた人もいる。原因は消費者が飽きたことが最大の原因だけども、さらにいうと、供給側が過剰に供給したことで需要がなくなったことが大きいのではないかと考えてしまうのだ。

別に大して見たくもないのに毎日見させられたら、そりゃ嫌でも飽きてしまうもんです。



で、私的に飽きつつあるのが「武勇伝♪武勇伝♪」の人たち。既に切れがなく、何が面白いのかもわかんない。やっぱり一つのフレーズで流行になった素材は、フレーズが耳に残るうちはいいのだけれども、耳につくようになってきたらオシマイも近いですよね、っていう話です。


あと、どこの局も同じような芸人をアレだけ大量に扱うってことからするとよっぽどギャラが安いんだろうなあとか考えちゃいました。